アート性、作家性、実験性の高いユニークなアニメーションを、世界各国から選りすぐってご紹介する、ジェネオンのアニメーションのシリーズ。
Yuri Norshtein Film Works
本編98分GNBA-3028 ¥3,990(税込)2007年1月25日発売 この商品のご購入はこちら
©2002 Film By Jove Inc.in assosiation with Soyuzmultfilms studio
1941年生まれ。 家具職人として働いていたこともあるが、芸術専門学校を卒業後、ソ連邦動画スタジオで働き、ワノー監督に師事する。アニメーション制作に、声優として参加したこともある。 1970年から監督を始め、やがて世界各国の映画祭で高く評価されることになる。1979年度ソ連国家賞、1981年A・タルコフスキー記念賞を受賞。また青少年向け映画/アニメ芸術発展への貢献に対して国際ジャーナリスト連盟メダルを授与された。 「話の話」完成後の1980年頃から「外套」を制作開始、途中何度かの中断を経て現在も製作中。 高畑勲など日本のクリエイターとの交流は深い。
1968年制作/9分
監督・動画:ユーリ・ノルシュテイン A・チューリン 撮影:V・サルハーノフ 構成:N・ヒートマン
A・チューリンと共同演出で、1917年に起きた十月革命を描いた、ノルシュテイン初監督作品。当時の漫画から用いた特権階級のキャラクターや、ブラックなど立体派絵画の影響、実写とのコラボレーションなど、いろいろな要素をとりいれた表現が興味深い。
1971年製/10分
監督:I・イワノフ・ワノー Y・ノルシュテイン シナリオ:I・イワノフ・ワノー 美術・演出:M・サカロバ A・チューリン 撮影:V・サルハーノフ 音響:B・フィリチコフ 音楽:N・A・リムスキー・コルサコフ
882年に始まったキエフ公国が、988年にスラブ地方の国家統一をするまでを描いた作品。14-16世紀のフレスコ画・細密画のキャラクターを使用した緻密な切り抜きアニメーション。大胆なカメラワークとシネマスコープサイズ画面を用いて戦争をスペクタクルに見せる演習の一方で、戦争が残す悲しさを描くことを忘れていない。エイゼンシュテインを尊敬するノルシュテインが、そのモンタージュ理論の研究の結果を実現した作品。
1973年製作/12分
1974年サグレブ国際アニメーション映画祭グランプリ
監督:Y・ノルシュテイン 美術:F・ヤルブソバ 作曲:M・メーロビッチ 録音:B・フィリチコフ ナレーション:B・ホフリャコーフ
ノルシュテインが世界のアニメーション界で注目を浴びるきっかけになった作品。動物達はもちろんだが、背景も民芸刺繍のようで可愛らしい。狼にも牛にも追い出せなかった狐を兎の家から追い出すにわとりの活躍ぶりがユーモラスな作品。民話がベース。
1974年製作/10分
1975年ニューヨーク国際映画祭最優秀賞 1975年アヌシー国際映画祭審査員特別賞
監督・美術・動画:Y・ノルシュテイン シナリオ:R・カチャーノフ Y・ノルシュテイン 美術・演出:F・ヤルブソバ 撮影:A・ジュコフスキー 作曲:M・メーロビッチ 音声:B・フィリチコフ ナレーション:I・スモクトゥノフスキー
ロシア民謡を原作とする、オスの鶴と、メスのあおさぎの恋の物語。仲良くしたいのに冷たくして、仲直りしたいのにすれ違う。繊細な映像はもちろんだが、この不器用なふたりのやりとりを絶妙な演技で表現していることに感嘆する。世界の各映画祭で10近くの賞を受賞。
1975年製作/10分
1976年テヘラン国際児童青少年映画祭グランプリ 1977年ロンドンフェスティバル賞
物語が始まるとともに、観客の前には霧がたちこめ、ハリネズミとともに霧の中をさまようことになってしまう強力な魅力をもつ作品。ノルシュテインの作品のほとんどはノルシュテイン夫人であるヤルブソバとの共同作業。ヤルブソバがキャラクターから背景にいたるまですべてを描き、ノルシュテインが加工からアニメートまで行う。キャラクターと背景が見事に融和した絵画的なアニメーションはこうして生まれる。
1979年製作/29分
1980年ザグレブ国際アニメーション祭グランプリ 1980年オタワ国際アニメーション祭最優秀賞
監督・美術・演出:Y・ノルシュテイン シナリオ:L・ペトルシェフスカヤ Y・ノルシュテイン 美術・演出:F・ヤルブソバ 撮影:I・スキダン・ボシン 作曲:M・メーロビッチ 音声:B・フィリチコフ 構成:N・トラシェバ 編集:N・アブラモバ
原題は「おはなしたちのおはなし」。ひとつの物語ではなく、すべての物語、ひとつの詩的真実の世界を描いている。ストーリーは単純ではないが、冒頭の青リンゴをつたう水滴の冷たさ、狼の子供が食べようとするじゃがいもの熱さなど、映像は実写以上の質感を持ってダイレクトに伝わってくる。何度でも見返したい、映像詩というにふさわしい名作。バッハとモーツアルトの楽曲の一部を使用した。世界の映画祭で絶賛された。
1966年製作/9分
監督:W・クルチェフスキー アニメーター:Y・ノルシュテイン
クルチェフスキー監督作品。花を愛する心優しいワニ君が、ある日お花畑で可憐な牝牛と出会い、魅かれあう。仲間の動物たちのひやかしにもめげずに二人は恋に夢中になるが・・・。純情ワニ君の恋物語をコミカルにそしてリリカルに描いた傑作。人形のデザインの美しさが際立つ。 ノルシュテインが画家を夢見ていた頃にスタッフとして加わった修行時代の一篇。
1969年製作/9分
監督:I・イワノフ・ワノー アニメーター:Y・ノルシュテイン
旧ソ連のアニメーションの父と呼ばれ、「イワンの仔馬」で世界的に知られたワノーの晩年の作品。四季の移り変わりの中で紡がれる愛の喜びとかなしみ。チャイコフスキーのせつないピアノ曲にのせて華麗に描かれた人形アニメーション。ノルシュテインが助監督とアニメーション監督を担当。やがて「ケルジェネツの戦い」で共同監督へ発展する。