• HOME
  • 川本喜八郎作品集

アート性、作家性、実験性の高いユニークなアニメーションを、世界各国から選りすぐってご紹介する、
ジェネオンのアニメーションのシリーズ。   

川本喜八郎作品集

川本喜八郎作品集

Kihachiro Kawamoto Film Works

本編151分
GNBA-3034 ¥3,990(税込)
2007年1月25日発売
この商品のご購入はこちら

プロフィール

1925年 東京・千駄ヶ谷生まれ
1944年 旧制横浜高等工業学校(現横浜国大)建築科卒業
1946年 東宝撮影所に美術助手として入社
1950年 フリーの人形美術家に
1958年 CM製作会社「シバ・プロダクション」設立
1963年 旧チェコスロバキアの人形アニメーション・スタジオに留学、 イジィ・トルンカ氏に師事
1968年 自主人形アニメーション第1作「花折り」製作、ママイア国際アニメーション映画祭銀賞受賞
1976年 自主人形アニメーションの代表作「道成寺」製作、アヌシ―国際アニメーション映画祭ほか、世界各国で多くの賞を受賞
1981年 自主人形アニメーション「火宅」がバルナ国際アニメーション映画祭でグランプリを受賞
1982年 NHKテレビ「人形劇 三国志」の人形美術担当
1988年 紫綬褒章受章
1993年 NHKテレビ「人形歴史スペクタクル 平家物語」の人形美術担当
1995年 勲四等旭日小綬章を受章
1996年 手塚治虫氏の後を継ぎ、日本アニメーション協会会長に就任
1997年 「人形の魔術師 川本喜八郎展」 新宿三越美術館で開催
2001年 折口信夫原作「死者の書」のアニメーション企画に着手
2002年 世界の作家に呼びかけ、松尾芭蕉の連句「冬の日」をアニメーションで企画し総監督に就任

フィルモグラフィ

  • 「花折り」/1968年/14分
  • 「犬儒戯画」/1970年/8分
  • 「鬼」/1972年/8分
  • 「旅」/1973年/12分
  • 「詩人の生涯」/1974年/19分
  • 「道成寺」/1976年/19分
  • 「火宅」/1979年/19分
  • 「蓮如とその母」/1981年/93分
  • NHKテレビ「人形劇 三国志」/1982-4年/各45分 全68話/人形美術担当
  • 「セルフポートレート」/1988年/1分
  • 「不射之射」/1988年/25分
  • 「いばら姫またはねむり姫」/1990年/22分
  • 「注文の多い料理店」/1991年/19分/岡本忠成氏の未完の遺作を引き継ぎ監修
  • NHKテレビ「人形歴史スペクタクル 平家物語」/1993-5年/各20分 全48話/人形美術担当
  • 「李白」/1996年/10秒

作品解説

hanaori

花折り

Breaking of Branches is Forbidden

1968年/14分

68ママイヤ国際アニメーション映画祭 銀のペリカン賞

監督コメント

自分で作る最初の作品は、明るいものを作りたかったのです。師匠の飯澤匡先生に勧められて見た、壬生狂言の楽しさと明るさにひかれ、桜の花にまつわる酒呑みの失敗談を描いた、この作品を作ったのです。

inugyogiga

犬儒戯画(全長版)

Anthropo-Cynical Farce

1970年/8分

監督コメント

人形の動きをスチール撮影して、それを紙焼きにしたものにセルを重ねてまた撮影するという、手のかかる作業を行いました。横光利一さんの原作からはなれて自由に作りました。モノクロですが今回はラストの花を手彩色したバージョンを収録しました。試写会終映後飯澤先生に、何が言いたいのかわからないと怒られました。

oni

The Demon

1972年/8分

`72第11回毎日映画コンクール大藤信郎賞
`73アヌシー国際アニメーション映画祭審査員推奨

監督コメント

母親が鬼の目で息子たちを見ていたという説話に、おばすて伝説など老人問題をからめました。鶴澤清治さんと山口五郎さんの音楽が最初にありました。その音楽に相まって文楽調の人形とその動き、光と影のコントラスト、黒漆の地に金蒔絵で描かれた背景と様式美を表現しました。

tabi

旅(全長版)

The Travel

1973年/12分

監督コメント

初めての切り紙アニメーションです。禅の思想を僕なりの解釈で作品化しました。少女の旅先の風景はウィーン幻想絵画風に表現しました。

tabi_short

旅(再編集版)

The Travel (Short Ver.)

1973年/4分

監督コメント

以前パイオニアから僕のLDが出た時に、この再編集版を作りました。今回は夭逝した知人のメモリアルとして収録しました。この版では音楽も別バージョンを使いました。

shizinnoshougai

詩人の生涯

A Poet`s Life

1974年/19分

`74第13回毎日映画コンクール大藤信郎賞他

監督コメント

安部公房さんの原作を読んで、これは岡本忠成さんに合った題材だと思ったら、岡本さんが興味を示さなかったので、僕がやることにしたのです。湯浅譲二さんの音楽が実験的でとても良かった。雪が降るところはオプチカル処理で、一番お金がかかりました。

dojoji

道成寺

Dojoji Temple

1976年/19分

`77芸術祭優秀賞
`77アヌシー国際アニメーション映画祭エミール・レイノー賞他

監督コメント

大和絵風の背景と、火と水の様式美がうまく表現できました。松村禎三さんの音楽がすばらしかったでしょう。アヌシーでグランプリ候補だったのだけれど、審査員の一人が動きの一部をライブアクションと勘違いして、別の賞になってしまいました。この作品で火のオプチカル合成がうまく行ったことが、次の「火宅」へと繋がったのです。

houseofflame

火宅

House of Flame

1979年/19分

`80オタワ国際アニメーション映画祭審査員特別賞
``80バルナ国際アニメーション映画祭グランプリ

監督コメント

能の「求塚」をもとに救いのない物語を表現しました。人形の神秘性が良くでていたと思います。音楽を松村禎三さんから紹介されて、武満徹さんと初めて組みました。鯉沼廣行さんの横笛がすばらしいでしょう!さらに観世銕之丞先生のナレーションがすばらしかったです。

セルフポートレート

セルフポートレート

Self-Portrait

1988年/1分

監督コメント

最初から歌は瀬川瑛子「命くれない」に決めていました。僕の人形のデザインは片山雅博さんです。もともと世界5ヶ国のアニメーション作家の、自画像をテーマにした競作の1本で、手塚治虫さんやヤン・シュバンクマイエルさんも入っていました。

futekinoteki

不射之射

To Shoot without Shooting

1988年/25分

`88上海国際アニメーション映画祭審査員特別賞

監督コメント

「鬼」を作った頃に阪大の先生から、「山月記」をおやりなさいと中島敦の原作本をいただきました。「山月記」は虎の表現が人形では難しいこともあり、「名人伝」の方に魅力を感じました。いい時期に中国の上海スタジオへ渡り、とてもいいスタッフに恵まれて作ることが出来て幸せでした。

ibarahime

いばら姫またはねむり姫

Briar-Rose or The Sleeping Beauty

1990年/22分

`90第29回毎日映画コンクール大藤信郎賞他

監督コメント

「火宅」のパーティのあいさつで、この作品を作りたいと話したのを、原作を書いた岸田今日子さんが忘れずにいてくれて、実現した作品です。チェコのトルンカスタジオで作ることが出来て幸せでした。またトルンカ先生ゆかりの人も参加してくれて、すばらしいスタッフに恵まれました。

page top