アート性、作家性、実験性の高いユニークなアニメーションを、世界各国から選りすぐってご紹介する、ジェネオンのアニメーションのシリーズ。
Kihachiro Kawamoto Film Works
本編151分GNBA-3034 ¥3,990(税込)2007年1月25日発売 この商品のご購入はこちら
© 有限会社川本プロダクション
Breaking of Branches is Forbidden
1968年/14分
68ママイヤ国際アニメーション映画祭 銀のペリカン賞
監督コメント
自分で作る最初の作品は、明るいものを作りたかったのです。師匠の飯澤匡先生に勧められて見た、壬生狂言の楽しさと明るさにひかれ、桜の花にまつわる酒呑みの失敗談を描いた、この作品を作ったのです。
Anthropo-Cynical Farce
1970年/8分
人形の動きをスチール撮影して、それを紙焼きにしたものにセルを重ねてまた撮影するという、手のかかる作業を行いました。横光利一さんの原作からはなれて自由に作りました。モノクロですが今回はラストの花を手彩色したバージョンを収録しました。試写会終映後飯澤先生に、何が言いたいのかわからないと怒られました。
The Demon
1972年/8分
`72第11回毎日映画コンクール大藤信郎賞`73アヌシー国際アニメーション映画祭審査員推奨
母親が鬼の目で息子たちを見ていたという説話に、おばすて伝説など老人問題をからめました。鶴澤清治さんと山口五郎さんの音楽が最初にありました。その音楽に相まって文楽調の人形とその動き、光と影のコントラスト、黒漆の地に金蒔絵で描かれた背景と様式美を表現しました。
The Travel
1973年/12分
初めての切り紙アニメーションです。禅の思想を僕なりの解釈で作品化しました。少女の旅先の風景はウィーン幻想絵画風に表現しました。
The Travel (Short Ver.)
1973年/4分
以前パイオニアから僕のLDが出た時に、この再編集版を作りました。今回は夭逝した知人のメモリアルとして収録しました。この版では音楽も別バージョンを使いました。
A Poet`s Life
1974年/19分
`74第13回毎日映画コンクール大藤信郎賞他
安部公房さんの原作を読んで、これは岡本忠成さんに合った題材だと思ったら、岡本さんが興味を示さなかったので、僕がやることにしたのです。湯浅譲二さんの音楽が実験的でとても良かった。雪が降るところはオプチカル処理で、一番お金がかかりました。
Dojoji Temple
1976年/19分
`77芸術祭優秀賞`77アヌシー国際アニメーション映画祭エミール・レイノー賞他
大和絵風の背景と、火と水の様式美がうまく表現できました。松村禎三さんの音楽がすばらしかったでしょう。アヌシーでグランプリ候補だったのだけれど、審査員の一人が動きの一部をライブアクションと勘違いして、別の賞になってしまいました。この作品で火のオプチカル合成がうまく行ったことが、次の「火宅」へと繋がったのです。
House of Flame
1979年/19分
`80オタワ国際アニメーション映画祭審査員特別賞``80バルナ国際アニメーション映画祭グランプリ
能の「求塚」をもとに救いのない物語を表現しました。人形の神秘性が良くでていたと思います。音楽を松村禎三さんから紹介されて、武満徹さんと初めて組みました。鯉沼廣行さんの横笛がすばらしいでしょう!さらに観世銕之丞先生のナレーションがすばらしかったです。
Self-Portrait
1988年/1分
最初から歌は瀬川瑛子「命くれない」に決めていました。僕の人形のデザインは片山雅博さんです。もともと世界5ヶ国のアニメーション作家の、自画像をテーマにした競作の1本で、手塚治虫さんやヤン・シュバンクマイエルさんも入っていました。
To Shoot without Shooting
1988年/25分
`88上海国際アニメーション映画祭審査員特別賞
「鬼」を作った頃に阪大の先生から、「山月記」をおやりなさいと中島敦の原作本をいただきました。「山月記」は虎の表現が人形では難しいこともあり、「名人伝」の方に魅力を感じました。いい時期に中国の上海スタジオへ渡り、とてもいいスタッフに恵まれて作ることが出来て幸せでした。
Briar-Rose or The Sleeping Beauty
1990年/22分
`90第29回毎日映画コンクール大藤信郎賞他
「火宅」のパーティのあいさつで、この作品を作りたいと話したのを、原作を書いた岸田今日子さんが忘れずにいてくれて、実現した作品です。チェコのトルンカスタジオで作ることが出来て幸せでした。またトルンカ先生ゆかりの人も参加してくれて、すばらしいスタッフに恵まれました。