アート性、作家性、実験性の高いユニークなアニメーションを、世界各国から選りすぐってご紹介する、ジェネオンのアニメーションのシリーズ。
Osamu Tezuka Film Works
本編152分+特典20分GNBA-3036 ¥3,990(税込)2007年1月25日発売 この商品のご購入はこちら
© 手塚プロダクション
TALES OF THE STREET CORNER
1962年/39分
1963年第17回毎日映画コンクール・第1回大藤信郎賞 1963年第17回芸術祭奨励賞 1963年第13回ブルーリボン教育文化映画賞
色とりどりのポスターがひしめくある街角には、様々な人や生き物たちが暮らしている。そこに、突然戦争の影が忍び寄り、壁には次々と独裁者のポスターが貼られていく。全編詩情とヒューマニズムに溢れた手塚アニメの記念すべき第一作。
MALES
1962年/3分
ある殺人事件を発端に猫の目を通して複雑怪奇な男と女の関係が描かれる異色作。モダンでグラフィカルな画面構成がいい。虫プロダクションの第一回作品発表会で公開。
MEMORY
1964年/6分
思い出の不確かさをテーマに諷刺とユーモアに溢れた佳作。ラストに手塚治虫らしい戦争批判が盛り込まれている。草月アニメーション・フェスティバルで公開。
MERMAID
1964年/8分
空想が許されていない国に住む少年が、ある日浜辺で出会った美しい人魚に恋をする。人魚の姿は少年にしか見えない。その思いが募るにつれ、少年は周囲から遠ざかっていく。人々は少年から人魚の思い出を取り去ろうとする。リリカルでファンタジックな佳品。
THE DROP
1965年/4分
イカダで漂流する男の一滴の水を巡る死に物狂いで涙ぐましい努力を描いた初期ギャグアニメの傑作。草月のアニメーション・フェスティバルで公開。
PICTURES AT AN EXHIBITION
1966年/33分
1967年第17回ブルーリボン賞教育文化映画賞 1967年第21回芸術祭奨励賞 1967年第14回アジア映画祭特別部門賞 1967年第21回毎日映画コンクール・第5回大藤信郎賞
手塚治虫がムソルグスキーの組曲からイメージした10枚の絵にまつわる物語。ギャグあり諷刺あり、ここでも漫画家手塚治虫のジャーナリスティックな目が光る。ディズニーの「ファンタジア」へのオマージュ作品。虫プロで制作されていたテレビアニメへのアンチテーゼを込めている。
THE GENESIS
1968年/4分
1966年に日本公開されたジョン・ヒューストン監督の映画「天地創造」をパロディーかした手塚治虫版「珍・天地創造」。紙芝居風の超リミテッド作品。
JUMPING
1984年/6分
1984年第6回ザグレブ国際アニメーション映画祭グランプリとユネスコ賞 1985年バリャドリド国際映画祭銀穂賞
飛びはねて遊んでいた子供は、はずみがついてしまい大きくジャンプをくり返しながら、あちらこちらを飛びまわる。やがてたどり着いた国では・・・。破滅への道をひた走る人類の姿を諷刺した手塚治虫実験アニメーションの最高傑作。ハンガリーのアニメーション「蝿」にインスパイアされて制作した全編ワンカット、動画枚数4000枚に及ぶ脅威の一人称アニメーション。
BROKEN DOWN FILM
1985年/6分
1985年第1回広島国際アニメーション映画祭グランプリ 1985年バルナ国際アニメーション映画祭カテゴリー部門最優秀賞
さすらいのカウボーイと美女、そして恋敵のガンマンが西部の町で入り乱れる。作品の古さを強調しようとハイテクを使い、フィルムにキズやゴミをオプチカル処理で合成して、全体をわざと汚した。全編ギャグに溢れたノスタルジックないにしえのサイレント漫画映画へのパロディにしてオマージュ。
PUSH
1987年/4分
ボタンひつおすだけでどんなものでも手に入れることが出来る世界。男は神様にとてつもない願いを叶えるようにつめよった!文明社会を痛烈に皮肉った作品。第2回広島国際アニメーション映画祭で初公開。
MURAMASA
1987年/9分
妖刃「村正」を手にした武士が辿る数奇な運命。核の均衡による平和に対してアンチテーゼが込められた作品。これまでにない手塚アニメの異色時代劇。「プッシュ」と同様第2回広島国際アニメーション映画祭で初公開。
LEGEND OF THE FOREST
1987年/30分
1988年第42回毎日映画コンクール・1988年第25回大藤信郎 1988年第19回ザグレブ国際アニメーション映画祭CIFEJ賞
手塚治虫が生涯愛してやまなかったアニメーションの父ウォルト・ディズニーへ捧げたオマージュ。第4楽章のうち、第1、第4楽章のみ完成。チャイコフスキー作曲「交響曲第4番」にのせて、人間と自然との共存や、かけがえのない生命の尊さを説いた手塚アニメーションの集大成。ドラマの展開に、アニメーション発達史を盛り込んだ野心作。
SELF PORTRAIT
1988年/12秒
川本喜八郎やヤン・シュバンクマイエルをはじめ世界5カ国19名のアニメ作家が、国際アニメーション映画祭で上映するために、自画像をモチーフにして競作したオムニバス作品の手塚のパート。手塚が生前制作した最後の実験アニメーション。漫画家手塚治虫らしいギャグアニメーションになった。