<ストーリー>

どこにでもいるような平凡な女子高生・中嶋陽子。代わり映えのない日常を送る陽子は、日ごとに進行していく「夢」を見続けていた。不安を募らせる陽子の目の前に突如、金色の髪を持つ「ケイキ」と名乗る青年が現れる。ケイキは陽子を主と呼び、見知らぬ異世界へ連れて行く。そこは十二人の王と十二頭の麒麟によっておさめられる十二の国々からなる不思議な世界だった。
第1話から第14話までの「月の影 影の海」篇全14話を収録。

<ストーリー>

胎果として日本で育った幼い戴国の麒麟・秦麒は蝕によって日本に流された十年の時を経て蓬山へと帰還した。日本では自分の存在自体がまわりに不快な思いを与えてしまっているとしか思えなかった秦麒は、自分が家族と一緒にいてはいけなかったのだと理解し、故郷への別れを受け入れたのだった。しかし、麒麟としての自覚がもてない秦麒は己の存在に自信が持てず、悩み続ける。
第15話から第21話までの「風の海 迷宮の岸」篇全7話を収録。

<ストーリー>

とある日本の貧しい農家に生まれた少女「大木 鈴」は、家族のために出された年季奉公先に向かう途中、蝕により十二国の世界へ渡ってしまう。一方、芳国の華やかな王宮暮らしを贈っていた「祥瓊」は、父である峯王の苛烈な法律と裁きが人口を激減させ、芳国の麒麟・峯麟は失道の病に倒れる。また、彼女らと同じ年頃で景王となった陽子は、即位の儀式の日を迎える。
第22話から第39話までの「風の万里 黎明の空」篇全18話を収録。

<ストーリー>

陽子達が延王を訪ねてやってきた場所は、元斡由という人物のお墓だった。延王は戸惑う陽子に、自身が登極して二十年たった頃の話を語り始めた。延麒・六太が誘拐される事件が起きた。連れ去ったのは、六太の知り合いであり、斡由に使える射士・更夜だった。更夜は六太に、自分を王の上に立つ上帝に選ぶべきだと力説する。
第40話から最終話である第45話までの「東の海神 西の滄海」篇全6話を収録。