さとうとさとうが書く さとう限定ぶろぐ

ジェネオン佐藤独白②

①の続きです。

版権にまつわる失敗談や面白話は意外にありません。
こちらも慎重に進めていますし
関係先が多いので(アニメ誌編集部様、スタジオ様、原作元様、宣伝委員会など)、
チェック機能がおのずと働くせいだと思います。

でも、これは「H.O.T.D.」の話ではありませんが
随分と前の別作品で、絶対にアニメ誌さんの依頼通りにラフ画を上げてこない
キャラデ様がいらっしゃったことも…。
『このほうが絶対にファンの皆さんが喜ぶから!』
というのがその理由だったのですが(確かに仕上がりもよかったのですが)
あまりにも別な絵柄なので発注元のアニメ誌の編集部様も
「困りましたねー(苦笑)」とニガ笑いです。

その後のクリンナップ~彩色の作業スケジュールもギリギリでしたから、
これはもう確認というものでなく、
時間がありません!絵柄は頼まれたものとは違いますがこれで進めますがよいですか?
↑もう、このニュアンスです(笑)。

相手の編集者さんから
「今回は承知しました佐藤さん。でもひとつだけ教えて下さい、これってなんのシーンですか?」
と聞かれた時には、一瞬、血の気がひく思いでしたが、集中さえしていれば大概のことはうまくいくものです。
それと、日頃の行いがよければ言い訳の「神」が降臨し、説得力のある言葉を授けていただくことも。
その時の私は、まあまあのテンションをキープしていたので以下の言葉がすんなりと。
「はい、この後、クライマックスで使用するかもしれない裏設定です。」
「かも」と「裏」という言葉のあいまいさがポイントですね。
今、これ書いてて気がつきました、これって降臨したのは神でなく悪魔でしたね(笑)

その後、同じことが2回続きまして、
さもしい言い訳が通じる世界ではありませんので、もう素直に、
「筆が滑ったというか…まあ、はっきり言ってファンの皆様を思うあまりの暴走です。スミマセン!」
と素直にお詫びをしましたら許していただけましたし、
シャッポを脱いで、こちらもなんだかすっきりしました。
とまあ…一枚の版権絵柄にもたまにはドラマがある訳です。


6/10のnewtype様でもまた1枚描かせていただいてますから
どうぞ期待していて下さい。


【追伸】
最近はまったく音楽を聴いてませんでした。
むしろお笑いばかりで…。
しかしTHE DRUMSのデビューアルバムは買わねばと。
UKのEP盤で準備万端です。
ヘタしたらライブにも行きたいくらいです。



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