NBCUniversal の上田です。
2018年に放送から20周年ということでファンが主体となって
Club Cyberiaなるイベントをしてくれたり
Tシャツ祭りしてくれる人もいたり
奇特なゲームメディアが取材にきては羞恥プレイのような目にあったり――
インディーズのようなコンテンツがこんな長く愛されて嬉しく思う一方で
企業という顔で対応せねばならない部分もあり、あまり協力できずに
歯がゆかったりもしました。
身を粉にして作品に尽力していただいた熱心なファンの方々に対して
自分も会社員なりにできるお礼はしたいと思い
会社と相談をした結果、下記のようにしたいと思います。
なお規約とかお硬い文章は「大嫌だぁ」っていう方のために
具体例を交えたゆるくてぬるい『ゆるぬる解説』をページ下に記載しておきました。
実際に活用される場合は必ず利用ガイドライン及び利用規約にお目通しください。
大安吉日
uedayasuyuki
記
本日より放送開始30周年となる2028年7月6日までの間において、以下の「利用ガイドライン」と「利用規約」の両方に同意いただくことを条件に、日本国内に居住されている個人の方に限り、アニメーション作品「serial experiments lain」(以下「本作品」といいます)の二次創作の利用を商用・非商用にかかわらず無償で許諾します。監修を受ける必要もありません。
また、個人の集合体となるファン・コミュニティによるOpen Source Projectであれば法人格を有しない限り、同様に許諾します。
※注意事項
この利用規約(以下「本規約」といいます)は、NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン合同会社(以下「当社」といいます)が権利を保有するlainプロパティ(第1条1項②号に定義します)を利用者(第1条1項⑥号に定義します)が利用する場合の利用できる範囲及び条件を定めたものです。利用者は、lainプロパティを利用することにより、本規約に同意したことになります。
ゆるぬる解説
簡単にいうとCyberiaイベントで「PS版が高額で手に入らない」クレームに対し
私が返答した「誰か勝手に(もっと良い)ゲームつくれよ」を会社として正式に認めますとか
そんな感じです。
まぁそこまで酔狂な人間はそうそういないでしょうけど
今でも力の入った新規イラストやら、時折、「おっ!」と思うものを
作っていただけたりもします。
せっかく描いたイラストや創作物がSNS掲載だけだと寂しいしもったいない
例えば創作イラストを見た別な人がその絵柄の携帯ケースほしいって場合に
イラストを描いた本人と条件交渉して許可をとりつけ、OKもらえたならば携帯ケース作れて
同じ様に欲しい人がいたら売れる。
そういう拡がりというかファン同士の楽しみ方を肯定したいなぁっと。
すでにグレーな気分で似たようなことをしている方も数名いるかもしれませんが
今日からそれらはグレーじゃなく白で、NBCUへの報告義務もロイヤリティは
無いということです。
そんな感じで実質何人が恩恵うけるかはさておき30周年に向け
2028年まで二次創作で活動してくれているファンとクリエイターの
皆さんが安心かつお財布に優しく楽しく自由に活動してもらえれば嬉しく思います。
私からお願いしたいのは2点
・個人間取引でトラブらないようにしてほしいのと
・金に目がくらみ作りすぎて在庫にこまっちゃたり、イベント主催して盛り上げようするあまり
赤字を出したりしないこと。
いかなる場合でも弊社は一切の責任を負えません。
自己責任とはいえ辛い思い出づくりだけはしないようにしてほしいです。
あと注意してほしいのは原盤や著作権を放棄したわけではないので
既存の商品となっているものを自由に使えるわけではないです。
商品からスキャンしたりして安倍くんの画のTシャツ作って売るとか
BD闇上映とか、元音源を音楽配信しちゃうとかは当たり前ですが駄目駄目です。
黒い服の男たちに新橋あたりのビルに連れていかれます。
また自分の描いた画でグッズなどを個人製作して売るのはOKですが
その画を法人などに再許諾することはできません。
自分が描いた画を漬物屋さんのパッケージに許諾するとかは駄目ですが
漬物が好きなお友達に渡してその人がその画を使った漬物石を個人製作するのは
問題ありません。
漬物石を漬物グッズ販売の店舗に販売委託するのも問題ありません。
例えにそこそこ失敗しましたが、販売経路とかが法人になるのはOKですが
許諾先が法人なのは駄目ってことなのです。
ロゴとかは自由に使ってもらってもよいとおもうし
リクエストがあればAIファイルをOpen Sourceとして提供します。
その他のOpen Source化は状況みて検討していくかもしれませんが
基本姿勢としては ファンの皆様にうまく繋がってもらって
みんなが「おぉっ!」って思える新たなものを作って欲しいという想いもあります。
FAQは必要性がでてきたら作成しようと思いますが めんどくさ…いや長くなったので
思いつく具体例というかネタを書きなぐって終わろうかと思います。
魔法少女☆ありすのイラストを描くもよし
ハカー康夫の3Dモデルつくるもよし
幸せだった頃の柊子さんの小説やポエムを書くもよし
その創作物でTシャツやらフィギュアやらコミックやらアニメやら
ゲームやらVRコンテンツからARいやMR、まさかのAIエンジンで
「lain お友達リストを表示して!」「……ゼロ件です」と言わせてほろりとなるもよし
つくるもよし、つくらないもよし ロイヤリティゼロなのです!
『0、1のデジタル作品なんで掛け合わせたら 結果ゼロカロリーなんです!!』
え、ちょっと何を言っているかよくわからなくなりましたが 要は特に制限しません。
ウマーベラスなのです。
↑このネタをいいたかったためだけにここまで書いています。
作品を大事にしていただける方ならばプロもアマも関係ありません。
昔 俺、原画描いたことあるってアニメーターさんが原画描いて売ってもらってもよいですし
楽曲提供した人間が新たに曲を作って音楽活動しても個人であれば問題ないです。
何分、会社としてはじめてのことでどうなるかわからないので
想定しないヤバイ事態とかになったら適時、利用ガイドラインは変更させていただきます。
また、ほぼないとは思いますが 売上が伸びて法人化した方が、税率がお得!とかに
なったりした場合、そのまま継続できません。改めて法人として申請していただき、その場合は
通常の規定ライセンス・フィーが必要な大人なモードになります。
ちなみにガイドラインは
Unity―chan!がすごくいいこといっていて
しかも改変して自由に使ってよいといってくれたので一部パクリました。
ありがとうUnity-chan!
まぁオリジナルが銃で頭撃ち抜いておいて、公序良俗に反するなとか
片腹痛いわと古参のファンにつっこまれそうですが
そこはアクセラ(絶対安全なスマートサプリ)でもキメてヘラヘラ笑いながら水に流して頂き
最終的にこちらが想像もつかないびっくりするような作品を作ってもらって
30周年を盛り上げてもらえば幸いです。
Time to live
時間制限付きでlainは遍在する
その他どうしてもという質問があれば弊社のお客様センターにお問い合わせください。
https://nbcuni.co.jp/contactus/index.html
最後に
文化庁メディア芸術祭で他の審査員の反対を押し切り
lainを押していただいたモンキーパンチ先生と
TVシリーズの監督 中村隆太郎に感謝を込めて