3回目 HD解像度の壁
代表的な解像度
640×480 NTSC 4:3のテレビ
720×486 デジタルベーカム 昨今のDVDとか放送マスターテープ
1440×1080 地デジHD
1920×1080 FulHD
2048×1152 2K(16:9 )の場合
4096×2304 4K(16:9 )の場合
試験に出ますよ!なんの試験か知らんが…
地デジも多くの人が見れるようになって
大画面で奇麗な絵をみている訳だが
地デジっていうのは意外とすごくて
あれだけの情報量を普通に電波に飛ばせて見せてくれる。
偉いぞ、地デ鹿!
一方、我々は大本のファイルを扱うのに四苦八苦している。
多くのアニメの制作現場では今はそこそこ金のある企画で
Blu-ray化を前提としてる作品は1280あたりで作っている。
ガッツのあるところは1440でつくってるかもしれないが
それを高い編集室でコンバートしてHD-CAM SRあたりに
落としてマスター制作している。
ちなみに1280ー1440くらいの違いなら見た目の差異はそんなない。
なんで1920で作ってくれないのとお嘆きの方もいるかも
しれないが、金がかかるし、重くて作業できないというのが現実だ。
「大判」(カット内でカメラが動く場合、背景は大きくなるので
その手のカットを大判と呼ぶ)のカットだと3000-4000ピクセルに
なったりもするので単純に1920でレンダリングできれば
いいというものではないのだ。
懐かしい話だがlainのPSを中原氏と作っていた時に
当時最速のSGIが買えなくて、Macの9100を買って
AfterEffect 2.0Eを駆使してDTVでCMを作った。
明日が納品という時にレンダリングボタンを押したら
640ピクセルのわずか15秒をレンダリングするのに
2dayという表示が現れた。
慌ててレンダリングが軽くなるように作り直して
難なきとなったが、そこから比べたら今の現場のマシンは
当時のスーパーコンピューターを遥かに超えている。
だが、作っているものも年を追うごとに強烈に重くなっている。
タイムイズマネー レンダリングコストは制作費に直結するのだ。
後数年もすれば多分、我々も1920で作るようになるだろうし
映画の世界では8Kとかのソリューションもできてきている。
巨大なアイマックスシアターで高密度の映像をスクリーンに
投射するならば解像度はあればあるほどいい。
まぁ、作業する人はたまったもんじゃないだろうが
そんなことは私もお客様も知ったこっちゃ無い(笑)
今回のlainはフィルムとプロジェクトが残ってるパート以外は
当時のマスターであるデジタルベーカムの720を1920に作りかえている。
無理があるとお思いだろう。…もちろん無理無理だ。
それをどんな手を使っても見てまぁ許せるものに
するのが今回の課題だと思っている。というわけで
あらためて私が自らロストした素材パートについては誠に申し訳ない。
バックアップをとったつもりだったのだが
倉庫から自宅から考えられるあらゆる場所を捜索したがなかった。
いや、なにせ十年前、取ってたかもどうかも定かではないが…
そんな罪滅ぼしのようにQ-tecからの巨大FT素材を
HDDにもらい夜な夜な地獄のカット分け作業をしている私の部屋。
まるで康雄父さんの部屋みたいでしょ♪