4回目 容量の話

添付の画像はテレシネしたまんまの画像(DPXフォーマット)
でまだ加工前だが、これで1枚8MBくらいある。
24コマ1秒なので1秒で192MB、1分で11.5GBくらいだ。
1話あたりの本篇は20分ちょっとなのでまぁ、250GBくらい
が今回のソースとなる。
今時、250GBとか聞いてもまぁ、そんな大きな数字に
思えないかもしれないが、作業するのは意外と大変だ。

コピーするのも一苦労…
当初、ラボからWindowsのフォーマットであるNTFSで
納品されたのをUSBでMacにコピーしようとしたら
27時間とか表示がでて深夜、自宅で遠い目をしてしまったが
これはMacが標準でNTFSを読む事はできるがあくまで
ファイルが見れる程度でまともに取り扱えないからだった。
ParagonソフトさんのParagon NTFS
for Macというソフトをダウンロード購入したら
かなりましになったが、それでも2、3時間は
コピーにかかる。ちなみにオープンソースでNTFS-3Gなる
ものとMac FUSEとの組み合わせは無料だったが、こいつは
コピー自体はそれほど高速化できないので無駄足だった。

苦労したから余計思うのだがこれで2500円は安い!
(今だけプライスらしいので必要な人は今がチャンスだ)
ありがとうパラゴン!ってよく知らない会社だが…

キューテックにダメ元で今回撮影さんもMacベースだから
HDDのフォーマット変えられない?って聞いたら無理って
あっけなく却下。世の中、windowsなのだ。
ゲイツ、ゲイ痛!(意味なし)

さて、問題はファイルの置き場だ。
今回、1話に付き、1TBのHDDを用意した。
素材だけでざっくり300GB。
そこから作業用ファイルを作成するとプラス300GB
処理を施したファイルを戻すのにまた300GB。
1TB=1万円程度のHDDが売られてる今だからできる
贅沢だが、作業用のサーバーやRAIDにコピーするだけでも
2時間かかる。おまけに作業用のスペースのHDDは
高価なのでバカスカと増設もできない。

ファイルに関しては後で細かく解説するが容量が大きいのは
すべての行程を非圧縮10bit 4:2:2でやりきろうとしている
のが主な原因だ。簡単にいえばテレシネで出来た10bit素材を
BDマスターにする直前まで非圧縮10bitでやりきろうという
話だ。ピンとこないですよね(笑)まぁ、とりあえずなんだ
かんだと通常とは違うワークフローの限界でやっているので
少々の無理があるという訳なのだ。

書いてて思ったのだが、すべからくこういうことをしてる気
もする。我ながら馬鹿じゃないかと思う。
昭和な人間なので「楽して面白いものなんて
そうそう出来る訳が無い」という古い考えがこびり付いてるが
まぁ、アニメの現場に限って言えば数々の無茶をしてくれ
た人たちがいたからこそ今の盛況があると思う。

頭のいい人たちは「自己満足じゃねぇか」「おまえみたい
なヤツが現場を疲弊させるんだ」と本質を説くかもしれないが、
私はそういうとこでは「馬鹿万歳」なのだ。

あっなんかおやじくせぇ…
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