5回目【素材洗い出し】その1フィルム

このlainという作品は大きく分けて3種類の素材がある。
昔ながらのフィルムパート。民生用PCとMACでつくった
デジタルカット、そしてHaleo(ハレオ)という
レンダリング系の編集機で作った素材だ。
フィルムに関しては解像度が高いため、HD化は
それなりに手を加える必要はあるにしてもハードルは低い。
ただし「フィルムは生もの」という業界内慣用句が
あるように保存状態が悪ければ悪化の一途をたどる
ものである。
当時の私の我がままでテレビシリーズとしては異例の
35mmフィルム作品であったのも今回のリマスターには
いい話ではあった。
我がままは言ってみるものだ。
で、テレシネのプレビューを見た私の感想は
「意外と奇麗じゃないか!」しかも思ったよりも
印象がいい。思ったよりというのは実はフィルムの
質感とかそういう高度なジャッジではなく、画面に
締める映像の割合が高かった為である。
簡単にいうと、今時の大画面かつ16:9の横長画面に
真ん中に4:3の映像が映るのは意外と寂しい印象を
持っていたのだ。地デジに対応してない
番組を見てるようなそんな印象といえばわかりやすい
かもしれない。テレシネした直後の素材は
マスクが切られてなく4:3よりも横長なのである。
「これはいい」とうなづく私にオペレーターさんが言った
「でも切れると思って撮影されてるのでセルバレとか
汚れとかひどいですよ」
そういわれてみると確かにはじには現像液の汚れやら
時にはセルバレが見受けられた。
「でも大きい方がいい感じですよねー」という私に
周囲の「えぇ、まぁ…」などという反応の鈍い返事など
私の耳には届かない。
「決めた!4:3やめる!」
これが実に浅はかな決断と後悔する日まで後、3日。
…続く
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