7回目【撮影&スタッフリング】

通常、アニメの場合、撮影会社というものが存在する
フィルム作品であれば、撮影監督さんの会社で
あがってきたセルを背景と合わせて演出の指示に
従って一コマづつ撮影して、それを現像所に入れる。

デジタルになってからも同じようにコンポジットと
呼ぶ事も多いが、その名の通り、セルと背景をシート
にしたがってAfter effectなどを主につかって
撮影(レンダリング)する。

フィルムパートは前にちらっと書いたと思うが
フィルム(ネガ)→テレシネ→データ化(DPX)
という既に撮影されたものをデータ上で再撮影している。
通常、旧作品を再テレシネした商品を出す場合
編集室を使って全体的な化粧直し程度だが、今回は
それが出来ない。理由は当時としては斬新すぎた企画で
フィルムからビデオに起こした素材を編集機でいじって
しまったにほかならない。
 つまり同じ工程を経なければ再現できないのだ。
簡単にいえば「やりなおし」だ。なおかつ、放送と
いうこともあって手をいれきれなかった部分を
リファインしようとしているのだ。さてスタッフ紹介!
このどエラく果てしない作業をやってもらってるのが
斉藤氏(pinapics)。
フィルムのガタ(揺れ)をスタビライズで直したり
汚れをとったり、更に見やすいようにエフェクトを
かけ直してもらったりと、書いていて気が遠くなるような
作業をお願いしている。全体の8割くらいの作業が彼を
中心に回っている。…ハズだ。

懸案のデジタルカットには当時、プログラマーだったのに
Aftereffectに長けていたがために、CG制作担当となった
中原氏に彼の作ったカットとともに私が無くしたカットや
原版自体が無いカットなどのアップコンバートを丁寧に
やってもらっている。

細かい作業内容はまたにするとして
兎に角、二人のどちらかが倒れたらその時点で
この企画は頓挫する。
「クリエイターは生かさず殺さず」とはよくいったもので
当たり前だが死んでしまっては元も子もない。
だが、きつく膨大な作業であればあるほど
納品終盤になって徹夜の連続になって死んでしまわないように
今からこちらが心を鬼にして尻を叩かねばならないのだ。
でも… 
(続く)
おねーちゃんの袖の汚れがクリアに!?
list page page top