8回目【撮影&スタッフリング 続き】
(続きだよ)前にも書いたが
素材的に足りてない解像度を画が破綻しないように
拡張する技術はアプローチはいくつかあっても
それほど確立されていない。納得するレベルにするには
結局は1カットづつ丁寧に調整して行くしか無い。
もちろん、全部そんなことしてたら本当に終わらないので
ある程度パターンをはめていくことになるのだが
昨日、本人にやり方を聞いたがよくわからない。
中原の説明が悪いのか?私の頭が悪いのか…
ちょっと間違ってる可能性はあるが一応書いておくと
Instant HD等でアップコンする前に、なんかちゃんと
市販されてないようなアプリというかツールをつかって
再線化しているそうだ。具体的にいえばアニメでいう
線画を抜き出してそれを拡大してさらに細くする。
NTSCの画をHDにそのまま拡大するとボケボケになる
のは当たり前だが、トレス線も拡大される為に見た目に
線画が太くなる。それを奇麗にしてバランスをとって
やると大分、画面がクリアになるという訳だ。
通常のアップコンではそんな手間かけれないので
前後カットやコントラストを付けた加工画像との
対比で結果、奇麗に見えるようにデータを補正してる
ようだが、当たり前だがそこには「絵心」はない。
どんな線も条件が同じなら同じように文字通り
「処理」するしかないのだ。
大半は自動処理でやらないと終わらないし現実的では
ないが、どこまでカットや画に合わせてブローアップ
できるか?下地の調整具合によっては手をいれなくて
はならないカット数が増減するので、そこに時間が
かかってるらしい。
ゼロから撮影するのに比べたら余裕だろとつい思って
しまいガチだが、意外と再撮影が大変なのはサイズが
変わる事で前出の線の幅も変わるし、ノイズの質感も
変わる。フィルムの良さを生かしつつ新たな画を構築
するのは手間暇でいえば、通常の撮影と変わらず
むしろ修正するにも逐一マスクを切ったりと
手間も多くなるだな。
まぁ、そこまでやらなきゃいいんだろうけど、今回の
2名とも『妥協』という言葉が脳みそから溶け出してしまった
タイプなのでまぁ、そこまでやらんでもというレベルで
あげてきてくれるのでそれはそれでいいのだが、何しろ
ペースがあがらない。でも人間いったん奇麗な画をみると
元に戻れない。少なくとも私はそうなので待つしかない。
あー、また気が遠くなる(笑)
1話250カット×13
およそ3250カットの大撮影大会。そういえば近所で
運動会してたなぁ…こっちのゴールはまだ見えない。