9回目 トラッキングだよ、おっかさん
斉藤くんのガッツでサーバーにドカドカ5話が
あがってきたが、同時に1話の再テスト開始。
繋いでいる暇がない。
それにしても世の中、普通に旧作のBlu-rayがポンポン
でているのに、なぜ、自分の作品はこんなにも大変に
なっているのだろう。
トラスタ(当時の制作会社)が悪いのか、私が悪いのか
…たぶんそうだ私が悪…。
否、里見が悪い!
スケジュールが崩れるのもオフィスが
移転するのも、宝くじがハズれるのもすべてだ!
そう思ってないとくじけそうだ(笑)
まぁ、そんな感じで困った状況ではあるが
このブログ本来の目的である
リアルな現場の技術話をしてみよう
今思いついたのでかなり粗いが
我々を苦しめている「スタビライズの今」について
つたない知識で解説しておこう。
…
モーショントラッキングとかスタビライズとか
まぁ、言い方はちょいと違うが処理的には同じ。
ようするに画面を安定させる技術をある対象へ
追尾させるパスを作成させたりと表裏な間柄。
え、ナニいってるかわからない
では具体例をあげて解説しましょう。
例えば里見くんが現場で作画マンを殴ってるとしよう。
それをカメラにとってたらつい、おかしくて
カメラが揺れてしまった。見返してみたら
揺れていて見づらい。
里見くんの後ろに貼ってあるドクロちゃんのポスターに
ポイントをおいてそれが画面内でどう動くかを解析し
パス化する。
常にポスターが画面の同じ位置にあるようにすれば
カメラが固定されていることになるので強制的に
フレームをパンさせ、画面を安定させる技術。
これがスタビライズ。
見てたら里見くんの頭の上に「バカ」と手書きで
書きたくなったが画面内で動く為、イチイチ
「バカ」という文字を貼り付け直すのはまさにバカ!
そこで里見くんのおでこの絆創膏をターゲットにして
画面内で頭がどう動くかをスキャンする。
そのスキャンしたパスに「バカ」の文字を移動させれば
多分、コマーシャルやTVでおなじみの追っかけ文字とかが
できたりするのですな。これがモーショントラッキング。
…
細かいことはアドビに聞いてくれ。
書きたいのはそんなことではなく
AfterEffectでやると結構、これが大変らしいのだ。
まず、解析が時間がかかる。
つづきて正確にトレースできてるか?微調整に
時間がかかる。さらにフレームをガタにあわせて
パン(移動)させるわけだから当たり前だが、絵が
存在しない部分が画面にはいってきてしまい、結果
絵が切れてしまう動画になってしまう。
それを切れてないように見せる為にフレームをよったり
使える絵を切り張りするのだ。
大画面でガタつきがあるとユレも大きくなるのもあって
できるだけ、ユレはとりたいが、トルのが大変。
普通は目立つコマを編集で調整するのが我々の業界の常。
それをバカ上等!で全カットトラッキングをかけて
直しているようだ。ちなみに私はAEのトラッキングは
モーションパスをつくるのに使ったくらいで全く
使いこなせてませんので手伝えません。
まぁ、料理でいうと下ごしらえ的なこのスタビライズが
きっちりできていると大画面でフィルム作品をみていて
すごくいいのでやってくれたまえ。斉藤くん!
でも昨日、inferno(元ディスクリート社の高い編集システム)
でトラッキングしたらチョー早くて感動しました。
ラクチン、ラクチン♪楽できるっていいなー
そう、これがいいたかった!