18回目 3歩進んで3歩下がる!
ここ数週間、編集室にデータを持ち込んでは
チェック&リテイク&素材探しが続いている。
「ねっ、そこそこいい感じでしょ?」と
監督に聞いたところ「こんなにちゃんとやってくれてるとは
思わなかったよ」とお褒めの言葉(斉藤くんにだが)を
戴きつつ、「ここはもっとビビットにしたいかなぁ」とか
注文を受けながらなごやかに作業はつづいていた。
リテイクリストつぶしていく快感に酔いしれてる
私の横で監督がつぶやく
「このカットなんだけど、後ろ歩いてる人の
速度が違う」「えぇ?でもフィルムにささってるの
これなんですけどー!リテイクロールにもないですよ」
「…」
うっかり八ベェ
リテイクのカットの有無はチェックしていたが
そもそもそのテイクがリテイクかどうかまでは
チェックしてなかった。どうせ編集前に組むときに
DVDマスターと比較しながら組むので動きが大きく
違えばわかるとおもっていたのだが
主セルの動きであわせてしまって見逃したのだろう。
監督が来てくれなかったら危うく
間違った画で作業が進むとこだった。
「はぁ、よかった。めでたしめでたし」っといいたいところだが
今度は素材がないという絶望的な状況に
デジタルカットの一部は既にアップコンするしかないので
混在することはそもそも決定していたが
奇麗なフィルムカットを見た後にアップコンの画をみると
発狂しそうだ。
「斉藤さん、これ切り貼りしていいとこ使えない?」などと
いってはみるが試しに自分でやってみてあまりの作業と難しさで
これを撮監に頼むとクオリティはあがるが
一日一袋(カット)!
人類は皆、停滞!といった具合になる…
というか実際、週頭から一桁台のカットしかあがってない。
ジャギーのでたコマを1コマ1コマつぶせるものはつぶしたり
やれるだけのお化粧直しはしているのだが限度がある。
おまけに足りなくなったカットを探してたら
表情変えがないのに表情違いのセルが出てきたり…
謎は深まるばかり…
♩隆太郎に聞いてもわからない
なかは~らに聞いてもわからない
ワン、ワン、わわーん!