23回目 フレームについて
激しくご無沙汰してすみません。
lainのリストア以前に自分をリストアしてました。
追い込み前に体がぼろぼろになり、リストアして
またがんばろうと思いつつ、まずはすっかり放置状態の
ブログからスタートです。
今回はフレームに関して以前もちょっと書きましたが
HDのフレームは1920×1080。lainは元々4:3で640×480と
720×540の混在。それをデジタルベーカムに収録していたの
で720×486がマスター。フィルムパートは当然、再テレシネ
したので縦は1080にしたのだが、横はフィルムのセイフティ
領域があったのでなるべく画面を広くするためにそれを使い
本来、1440×1080となるとこを1520×1080としている。
実は先日、ディスク1のマスターアップの際にえらく時間を
とった作業にフレームバレやサイズのばらつき修正があった。
もともと映ることを想定してないため、セルバレやら汚れが
あり、再撮影の段階である程度つぶしてもらっていたが
それでもとりこぼしや、恐らくフィルムのガタをとる作業時に
間違ってしまったのか?なぜかわずかに足りず、横が1500
しかないものがまじっていたり…。
10ピクセルほどが両端足りないのだが、黒みとの境界では
普通に連続してみていてもわからない。編集室に入る前の
編集では他に注力がそがれていてとてもじゃないがそれを
同時にチェックすることができなかった。
対応としては、別な色のマスクをかけてだだっとみれば
チェックはより正確になるが、それもまたしんどいし
なにより金がかかる。で、現状の対応策としては
受け取ったQTをチェックする際に画面に表示する仕方を
固定にしそこに物差しとか直線なものをディスプレイに立てかけて
チェックする。
すごくかっこわるいが、プロの現場というものは時として
こういうかっこわるい方法を選択するものだ。まぁ、プロじゃ
ないけど(笑)。
で、最近、編集室では灰羽三昧だったのだが、こちらはこちらで
フレームに悩まされ続けた。灰羽連盟は元請けのRADIX自体が
デジタル作品になれてなかった上、外注先の撮影現場はそれに輪を
かけて不慣れだった。今ではほぼ消えてしまったアニモという
業務用アニメソフトで撮影された話数は挙げ句の果て、出力
解像度が足りてなかったりと。事故レベルのマスターしか
この世に存在していない。わずか8年前のことだが、追っかけて
も撮影素材もないのは相手の問題もあるが、すべからくして
管理があまかった私の責任だ。そんなマスターに追い打ちを
かけるように、デジベのマスター(撮影時はベーカムSP)から
Q-tecの総力を上げてアップコン+編集をしてくれたのだが
当時の基準ではテレフレ(テレビフレーム)しか対応していな
かった。簡単にいうと元の画像をフルフレームとするとその
85-90%くらいのところがちゃんとしてればいいというのが
テレビフレームだった。古いDVDなどをフルフレーム対応の
モニターやパソコンでみると上下に黒みやチラチラした線が
見えたりするのは、そうしたマスター基準の影響なのだ。
では、現在はどうなっているかといえば、各社さまざまだが
現実的にフルフレーム対応のモニターやパソコンでの再生が
当たり前になっている現在、フルフレーム対応にせざる得ない。
ここで犠牲になるのが、せっかくもちあげた画面解像度である。
数ラインある黒だったりノイジーな画をフレームの外に追い
やるため、わずかだが拡大せねばならないのだ。実は始めは
それにフレームバレに気づかずに一回、オーサリングしてし
まったのだが、無理をいってやり直しをさせてもらった。
しかもなるべく画を残したいので、ある程度、テープのノイ
ズが切れるか切れないか?の大きさの拡大にして、専任の
チェッカーを一人配置してもらい、バレたカットだけをまた
修正という面倒に面倒をかけるやり方をしてもらった。
なぜにそこまで?と文章だけ読んでたらそう思うかもしれ
ないが、それほどまでにマスターの状態が悪いからに他なら
ない。これが20年前の作品ならばあきらめはつくが、わずか
8年前の作品、自分への自戒含めてできる限りを尽くしたと
いう訳だ。このわがままにつきあっていただいたエディター
の久保田氏、営業の岡本氏に感謝!
とはいえ、満足できる画になってるかは別問題だ。もと
素材を知っているものにとっては「よくなってる」画も
初見のお客様には関係がない。前にもちらっとつぶやいたり
してたと思うが、灰羽もlainもそうだがマスターに起因する
残念な画は残っている。前回と繰り返しになるが
買って戴きたいのは山々だが、そういうものだと知らずに
買っては欲しくはないし、古い作品にもかかわらず、日々で
きあがるのを応援してくれている人に買った後に後悔して欲しくない。
ということで、なるべくいい情報も悪い情報もブログに
あげていこうと思いつつも「どう?この画、ひどいでしょ?」
とPCに残ってる足掻いた極悪な画を具体的にあげるものいか
がなものかと悩んでしまい、あげてませんが近々時間を見つけて
整理しようと思う今日この頃。