24回目 クオリティ 駄文長文

今日現在、灰羽のパッケージ作業に追われながら
lainのディスク2枚目の作業を平行していて
クオリティに関して思うことを書いて置こうと思う。
(っていうかその前にライナー修正やれよ俺)

それほどの映像マニアでもない私だが
関係者曰く「こだわりすぎ」「あいつと仕事すると
誰も気にしないようなとこを直して終わらない」とよく言われる。
自分でも若干の自覚はある。
制作の過程でスタジオがかわりモニターが変わると
そのメーカー特性や画面サイズ、設定とかの違いにより新たに
違和感がでてしまうカットを発見するとどちらのモニターでも
違和感がでないように調整したいとやり直したり、前回のフル
フレームの件にしても気にしない人はしないだろうなぁっと
思いながらもやり直したり…。
 実際、人間の目なんていい加減なもので昨日、いいなぁって
思ったものが今日は良くないことだってある。チェック中
まばたきもするしイージーな見逃しもある。もちろん、別な人間に
よって何重かのチェックをすることになっているが
クオリティという曖昧な基準はほぼ個人の主観に委ねられている。
まぁ、そういうのをなくそうとしてフィルムではTHXとかが
存在したりしたのだが、そういう高次元なレベルの時には
更に主観になるので、映像雑誌とかでライターやっている
人とかの意見なぞを参考にすればいいのだろう。だが今回の
元々HD用に作られてないマスターのリマスター&アップコン
作業ほど、判断に困る作業も初めての体験だった。
というか正直、迷いっぱなしだった。

灰羽連盟は本日PVなぞをアップしたが
http://www.youtube.com/watch?v=db6O92FZUKI
意外と評判がよくてそれは素直に嬉しい。いや、チョー嬉しい(笑)
(ネタバレしすぎだと指摘はあったが、私にそういうケアを
求めるのは無理ですよ、お客さん♩)
 売ろうとする側なのでもちろん「いい感じ」に見せる為に
作っている。でも今回は商品特性上、いっさい加工はしてない。
つなぎの光度差/色味は調整したが、いわゆるエフェクトは
かけてない。さすがにそれをやるとだましだなぁって
個人的には思うのだ。(ちなみに通常の先行PVだとガンガン
やるが、それは本篇ではもっとかっこよくなるだろうという
前向きな憶測から加工するのだ)
 旧作であり、1度見たであろう作品が"こう"なっているから
購入を検討しようとしているのにそこはだましちゃいかんだろうと。
 で、本題。ラスト2カット目は意図的にあのカットにした。
ベットの上のラッカと椅子に座ったレキが笑い合う
いいカットだが、これが散々いっていた問題の話数だからだ。
目の肥えた人なら画質の違いがわかると思う。
全体的にピンが甘いし線もジャギー感がある。
つなげて見たら気にならないかもしれないが、
止めたら「うん?」となるだろう。
 実はこの話数ともう1話はマスターの解像度が足りてない。
ただでさえ、SD-HDへ途方も無く画面を大きくしなくては
ならないのにえらく厳しい状態である。ぶっちゃけ小さい画面で
見てたり、なんとなく遠くで見てたら気にならない人が
多いかもしれない。それを気にしてなんでこんな長文書いてるの?
「あんたバカァ~」とニアの中の人に言われそうだが、実際
40インチ程度の大きな画面で問題の話数を見ると結構疲れる。
旧作映画リメイクなどではよくある話でフィルムのガタつきで
見てたら酔って疲れるのと近い話であるが、問題は画質だ。
あまりネガティブなことばかりいって「買わせない」方向へ
お客様をしむけるメーカーPも何がなんだかなのだが
個人的に「Blu-rayなんだからクリアな画像じゃなきゃ嫌だ!」って
人だったら絶対NGな画だと思うし、高額な商品であり
作品を大事におもってくれてるお客さんがこちらを信頼して
指名買いする作品であるからこそ、敢えていいたい。
 画質を最優先するのならば、灰羽はもとよりlainすらも
「買い」ではない。
本当に満足いくものでなければDVDのままで楽しんだ方がいらぬ
出費をしない分、「得」という考えもある。納得してもらった上で
BDを購入してもらえるのはこの上なく嬉しいが、せっかく買って
もらった人に嫌な想いをさせてしまうくらいなら買わないように
仕向けたいということだ。特にこのブログを読んでくれてるような
人には真摯でいたいのはいつわりのない気持ちだ。
 ちなみに初めて買うお客さんには多分、もう告知OKなハズだが
BD発売に際して、lainも灰羽のDVD廉価版も期間限定だが出だします。
もちろん、強制することでないし選択はお客さんがすることだが
その選択の為のネガティブになりすぎない公正な情報だしは案外、難しい。
「シリーズで一番ひどい画はコレです!」ってだされても
買うつもりの人間には不快なだけだ。
 「このベスパいいなぁ」って買いにいって「給油が大変ですよ」
「すぐ壊れますよ」「乗り心地、最悪ですよ?」と
欠点ばかり言われたら怒って帰るか、意固地になって買うかだろう。
まぁ、あんまりハッピーじゃない。
 ではなぜそんな商品を出すことに決めたかといえば
迷いに迷った挙げ句、そのマスターのダメな点を差し引いても
作品として世に出す価値があると自分で決めた。
 かっこ良くいえば、なすべきことがあるかもしれないのに
「SD作品ですからとBD化無理ですよ」と見てみぬフリをして
スルーしてはいかんと思ったのだ。
ただその結果、話数によってばらつきがあるパッケージとなって
しまった。画質だけがクオリティではないが、それでもメーカー
として担当としてもうしわけなくてついCD一枚追加したり
コメンタリー足したがまだ自分の中でこのバラツキが消化できてない。
 高飛車に聞こえるかもしれないが
本当に画質をなによりも大事に考える人なら、
この商品は「買わないでいい」商品だと私は思う。
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