2000年6月12日(月)/雨
公式HPも段々と形になってきましたね〜。
せっかくワタシの日記帳をいただいたので、ここでは、いろいろと オーッピラには言えないような事とか、あれやこれやの≪独り言≫を
書いていこうかな〜っと思ってます。あくまでも≪独り言≫ですから、さしさわりのある向きも 大目に見ていただきたいと思います。
『Strange Dawn』を最初に企画したのは、すでに一年以上も前の事になってしまいました。
思い返せば、横手さんに「こんな企画があるんですけど、ホン書きません?ひとりで(鬼)」と、悪魔の囁きをしたのが去年の5月ころだったでしょうか。当時は『魔法使いTai!』の作業が佳境で‥‥って、あン時は最初から
最後までずっと佳境状態でしたが‥‥‥ とにかく次に作るアニメは絵作りを楽チンにしよう!と心に誓っていたのです
(遠い目‥‥)。 そういうわけで、≪思いっきりシンプルなキャラでドラマをやろう≫というのが、『Strange
Dawn』の当初の重要な企画意図のひとつだったのです、ワタシ的に。
濃い〜、線の多い〜絵が多いご時世ですから、シンプルなキャラの作品なら アニメーターさんもきっと沢山集まってくれるだろうと思いました。その他3頭身のキャラじゃ煩悩が働かないというアニメーターさんもいらっしゃるでしょうから、そういう方のために女子高生もいれればもう完璧。というわけで、こうして3頭身と8頭身が同居する『Strange
Dawn』の世界はできあがったのでした。うまいアニメーターさんにどれだけ参加してもらえるかというのも、作品を作る上で重要なポイントなんですよ、きょうび。
山下さんに作っていただいたキャラは、ワタシの思惑通り非常にシンプルで「やった!」と思いました。「これなら楽チンだ」とね。 しかし‥‥‥! 実際に作業が始まってみると、こういキャラに芝居をさせると言うのが結構難しくて
大変で‥‥(涙)。
当初の思惑は大いにずれたのでした。
2000年6月15日(木)/晴れ
昨今のアニメ事情から考えると、とんでもなく快調なスケジュール状態の『Strange
Dawn』です。 今週は、すでに第七話のアフレコでしたが、オール色つき!です。パチパチ〜!
今後もすべてアフレコはオールカラーの予定。 なんにせよ、通常よりも早い時期に制作をスタートさせられたのが、なによりよかったですね。 ワタシなど、最初のころは「8月アタマには第一話のシナリオをあげようぜ!」とか、威勢のいいことを言っていたほどで(汗)。
しかしまあ(笑)なかなかそういうわけにもいきませんでした、『まほTAI!』もあったしね。というか、かなり特殊な世界観の作品なので、コンセンサスをとるという意味で、頭三話分のプロットをまとめて打ち合わせするという形にしたのですが、そこでやっぱりちょっと時間がかかってしまいましたよね〜。
しかし、それでも第一話のシナリオが決定稿になったのが、去年の11月の初頭でしたし、それ以降横手さんの怒濤のガンバリによって11月中に3話まで決定稿になりましたし、年内に六話まで決定稿でましたからね。最初に時間をかけて練ったのは、あとになってみれば
大正解でした。 横手さん、ありがとう。−−−−といいつつ、その当時横手さんには「毎週一話のペースであげてねっ・」と、さりげなく(実は強引に)プレッシャーをあたえ続けていたりしたのですが。
『横手さんならできますよぉ!(そーすりゃあ年内に、八話まで決定稿になるぜ‥‥ ふっふっふっ←心の声)』とねっ。
ごめんね、横手さん。怒ってないよね(怯〜)。で、めでたく第一話の作画打ち合わせをしたのが、12月の中旬で‥‥‥って、一ヶ月以上もかかっとるやん〜っ!>自分いやあ、ははは(笑)。ちょっと足ひっぱっちゃったかな。そんなわけで七話のアフレコも無事終了。
この回は、異常にテンション高くてよかったです。コンテ演出の高谷さん、テンション高い絵づくりありがとうございました。
キャラクターデザイナーの山下さんを拉致‥‥じゃなくて、スタッフに迎えたのも7月ころだったでしょうか。
あれは確か『まほTai!』の作画打ち合わせか何かの折でしたね。その回の担当演出さんの到着が遅れていたんだったかな‥‥、とにかく何かの理由でぽっかりと時間があいてしまった事がありました。そのとき山下さんに「2〜3頭身のキャラなんていうのは、あんまり好きじゃないんですか?」と聞いたのです。そうしたら「いえ、別に嫌いってことはありませんよ」とおっしゃるじゃぁありませんか。
当然その質問は、ワタシとしては山下さんにキャラデをやってほしいなぁ〜という期待をこめてしたものですから、これはもうキャラデオッケーという返事をいただいたものと!快く引き受けていただけたものと!いかなる他の仕事をさしおいても
『StrangeDawn』に参加してもらえるものと!解釈したわけです。というわけで、その場キャラクターデザインは山下さんに決定しました。とりあえずワタシ的にはね。いやあ、ほっと一安心。
最初の発注段階では、「オニギリみたいなキャラ」とか「ゼリービーンズみたいなの」とか「だ○ご三兄弟みたいなの」とか言ってました。そんなキャラで目だけシリアスなキャラというような話をしていたと思います。いま考えると、無茶すぎる注文でしたね(汗)。
おおっと。 最終話のレイアウトがかなり机にたまってきたようだ‥‥‥。早々にチェックしなくては。
徹夜続き‥‥‥。13話のレイアウトチェックで毎日徹夜〜。今日もきっとそうなんだろうなあ。まあ、なんにせよ今回のシリーズはこの回・13話がラストですから、がんばりたいと思います。今回コンテは山下さんにお願いしたのですが、いやこれがなかなか手 強いコンテです。レイアウトが一筋縄ではいかないというか、難しい〜〜ひ〜。がんばってはいるのですが、なかなかはかどらず…。とうとう今日レイアウトをだしきらないとアフレコに色がつきませんと制作から断言される始末‥‥くううううっ。ワイやない〜!ワイのせいやないんやああ〜〜!みんな世の中が悪いんやああ!(←何故に関西弁) しかし、まあ、最終回だしね(と‥‥いきなり開き直ったりして)。 枚数もそーとーオーバーしていると思うけど‥‥最終回だしね。尺もオーバーしてるけど‥‥‥最終回だしね。モブシーンもあるけど‥‥‥‥最終回だしねっ。CGカットも多いけど‥‥‥‥‥‥最終回だしねぇっ!! それにしても、1話をオンエアする前から最終回の話をするなんて、初めての体験です。どんな最終回になるかは、お楽しみに。>みなさまお楽しみにといえば、昨日6月21日オンエアの『NieA_7』から、CM枠で 『Strange Dawn』の30秒スポットが流れました。あと、6月28日と7月5日の 『NieA_7』でも同様にスポットが流れます。がっ!なんと『NieA_7』で流れるこの3回のスポットは、実は3回とも全部違うものなのですっ!つまり、各1回づつしかオンエアしないという、かなり凝ったスポットなのに、ああなんという贅沢! スポットオンエアを祝して、この喜びをかみしめるためにも今日はみんなで飲みに ‥‥‥、あ、レイアウトチェックですね‥‥‥はいぃ。
2000年6月23日(金)/雨 脚本:横手美智子さん日記に乱入!!!!!
ま。
結局のところ木曜中にレイアウトはチェックしきれなかった訳ですが(謝)、
しかし、 きっとみんなで何とかしてくれるでしょう(ニッコリ)。なんつっても最終回だし 。
◆それにしても、困るなあ>『横手さんの乱入日記』。
「にっこり笑って怖いことを言う」なんて事をバラしちゃ。
これから先、初めてお仕事する人がみんな警戒するようになっちゃうじゃないですか。‥‥って、
あ、そうか、同業者の方に警鐘を鳴らしたわけですね。
なぁんだ、そうか、はははは‥‥‥って、笑ってる場合かい >自分。
こうなったら、横手さんが車へこまして3回も(もっとか?)修理してるのバラしてやろうかな。
◆シナリオのスケジュールについては。そういえばそうでした。
当初は年内に13本全部シナリオアップする予定でしたよ。−−−思い出したぞ
〜、 おもいっきり遅れてんじゃん!
何回かに一度はシナリオもプロットもあがらず、手ぶらできたこともありましたねっ。まあ厳密に言えば手ぶらではなく、
そういう時は 必ずミスドのドーナツを持ってきてくれましたが。
打ち合わせの部屋に早々と横手さんがきていて、テーブルにミスドの箱があると‥‥‥、
それはもう「ごめんちゃい 」の合図(汗)。
そして暗く沈む一同、とりあえずドーナツ食って世間話の会と化す ‥‥ ‥みたいな。
とても楽しい思い出です‥‥‥‥‥(弱笑)。
◆それはともかく。さて、今週は第7話のダビングと第8話のアフレコです。
第8話ではあの人とあの人(ヒミツ)の一騎打ちのシーンもあって、いよいよ中盤の盛り上
がりのエピソード。
いやがうえにもあがるテンション!!楽しみじゃあ。
先日、あの大地丙太郎さんと対談をしました。
ワタシは、戦争をアニメで扱う事は非常に難しいと思っているのですが、話を聞いてみると、
大地さんも『今、ここにいる僕』では、戦場をアニメで扱う事についてかなり苦労をしたようですね。
『今僕』という作品を大地さんが作っているという話は、
ちょうど『Strange Dawn』が企画スタートして直後くらいに初めて聞いたんですよね。
「大地さんが、異世界にフォールダウンしたら戦争していた−−−みたいな作品をやっているらしいぞ」と聞いて、「かぶってんじゃん!」と、思ったものです。
ですから、 気にはなっていましたが見ることができず、結局ちゃんと見たのは第2話だけなのです。
『今僕』の2話をちらっと見て思ったのは、エンタテイメントの衣ををかなぐりすててもぶつかっていくというのが
大地さんの覚悟なのかなということ。
それはワタシには絶対にできない事で、『Strange
Dawn』はあくまでエンタテイメントの枠の中で戦争を描こうとしています。
つまりそれがワタシの覚悟。きっと、それは大地さんにはできないアプローチなのではないかと思うのです。
だから、たぶんできあがったものは全然違うものになっているはずです。
『Strange Dawn』が全部終わったら、ワタシはやっと『今僕』が見られます。