というわけで、知らない間にアフレコが終わってしまい、少し焦っている横手です
。
今週が最後だと思ってたんですよ、マジで!
結局、ライターがアフレコに参加したのは、2回か3回。
なめとんかうらぁとタコ 殴りされても言い訳できません。
佐藤さん河本さんスタッフのみなさん声優のみなさん、すいません。断じて逃げたわけじゃありませんので、
そこんとこよろしくお願いします。 のっけから弁解と謝罪ですみません。
かっちょ悪いなぁもう。 あでも、****役の**さんが褒めてくれていたという話を
佐藤さんから聞いて 、すっかり舞い上がってもいます。
さて。ストレンジドーンに関する作業はどんどん残り少なくなってまいりましたが 、まだ終わったわけじゃありません。
とりあえず今週あるのは、ジャケット画の打ち合わせ。 DVDとビデオが販売されるようです(たぶん)が、
ジャケットのコンセプトは
あ え て!全然!すんごく!驚くほどに!変えています。
それはもう同じ作品とは思えな いくらいです。 どんなものになるかは見てのお楽しみ、ということで、ここでは明らかにしません
。ぜひ、お店や雑誌をチェックしていただきたいと思います。
そんでお買い上げいただけると、さらにうれしい。えーとでも、いつ発売なんでしたっけ。ぼよーん。
話そのものはというと、これからどんどん登場人物が増えていきます。
そういえば 、そろそろまとめに入らねばいかん10話あたりでも出してたなぁ、ニューキャラクタ
ー。
怖くて確かめてませんが、山下さんは内心で「またかよぉ」と舌打ちなさってたのではないでしょうか。
そうそう。たまにアフレコに行くと、スタジオの混雑ぶりにぎょっとしたものでした。
人口密度、いや男密度が異様に高いんですよ。
戦いがあり、生き死にのある話は、簡単にそういうシーンを書いてしまいがちです。
「血を噴きだし、倒れる兵士たち」でいいんですから。
それに歯止めをかけるのが 、わたしの場合、ひとりひとりに名前をつけることです。でした。
兵Aや兵Bでは、その生死にリアリティを与えられないような気がして。
や、名前をつけるだけでリアリティや存在感が出せるわけではないので、どっちかっていうと自己満足なのですが、
名前がついたばっかりに、キャラをつくらねばならな い山下さん、
キャスティングをせねばならない有迫さんは、大変ですね。他人事のように言ってます。
ひとり失敗したなぁというネーミングとか、サブサブキャラで気に入っているのは誰か、
とかそういう話はまた後日。
先週、打ち上げがありました。
ビンゴで、監督がいちばんの目玉のMDプレイヤーを引き当てるという大顰蹙な事件や、
できたてほやほやの13話がいきなり上映されるという心臓に悪い事件や、
色指定の辻田さん(仮名)の膝にビールをぶちまけるという酔っぱらい丸出しな事件が
あったりしましたが、それ以外は非常に楽しかったです。
佐藤さんの乾杯の音頭に始まって、カニとか焼売とかお寿司とか大根サラダとか唐揚げとかお刺身とか、テーブルに乗り切らんほどのご馳走がばんばん。でもって何でも飲み放題。
やー。よかった。
いきなりスピーチをふられることがなければ、もっとよかった。
だって、ビデオの上映にいたたまれず、その場から逃げ出していたというのに!
いきなり名前を呼ばれるんですもん!
ねえ、春田さん! 気の利いた台詞でもちょこちょこっと喋れたらよかったんですけどね。
ありがとうございます、としか喋れませんでした。 いや、ほんとにありがとうございます。
今さらながらに、いかに多くの人がこの作品にかかわってくれていたのか、再認識いたしましたよ。
1年近く、同じ作品にかかわっていたのに、顔を合わせたのは初めてという人もいました。
そんで、ほとんどの人はもう別の作品をはじめていると思います。
わたしがアニメの仕事を好きなのは、一期一会の感覚があるからかもしれません。
なんかね、かっちょいいじゃありませんか。 ある目的のために、性格も素性もちがう人間同士が集まって、全力を尽くし、しかもそ
れが当然のことで、作品が完成すると、すっと別れて、別の道を行く。 ふたたび会えることがあるかもしれないし、ないかもしれない。 みなさんのご活躍をお祈りしています。
って、まるで最終回みたいになってしまいましたが、大丈夫。乱入は続きます。
今でも、佐藤さんや河本さんとは週1ペースで会っています。
親よりも多く会っているし、親にも言えないようなことをばんばん話す関係です。
しかし、すべてを知っているかというとそうじゃないわけで、未だに「ゲッ!」と思うような発見があるわけです。
ところで、みなさん。通信販売はお好きですか。
わたしは好きです。 カタログや番組を見て電話するという、ああいう通販に限らず、何かを見つけて、それが実際に手に入るか売り物であるかどうか調べて、お金をやりくりして、見事、手にしたときの快感が好きなんですな。
最近では「スパイス・ガールズ」ドールを一気買いしまし た。あと、山梨の桃と松阪牛と四万十川の鰻。
通販で何を買うかで、けっこうその人となりがわかってしまうと思うのは、わたしだけですか。
で、本題に戻ります。
なんでそういう話になったのか忘れてしまいましたが、3人で通販の話をしていたときのこと。
河本さんのほしいものは「いつでもどこでもすぐに釣りができる簡便釣り竿」でした。
って、東京のどこで釣りなんかするねんできるねん!
わたしと佐藤さんは同時につっこみましたね。
それに釣りが好きだなんて、これまで一年以上いっしょにやってきて、一言も聞いたことなかったんですよ。
なんで釣り竿。
佐藤さんは「なんでもくっつくパテ」でした。
二種類の粘土を混ぜ合わせると、木でも金属でも何でもくっつくやつ。
って、そんなにくっつけるもんがあるんかい! わたしと河本さんは同時につっこみましたね。
佐藤さんが 日曜大工をしている光景ですら想像できないのに、なぜ。
家庭的なんだか趣味入ってんだかわかんない、謎のセレクト。
かように、長いつきあいといえど「ゲッ!」と思うことに は事欠かないのでございます。
さて、わたしが今ほしいのは、メッサーシュミットKR200のレプリカなのでした。買えないけどね。
男性に声をあげさせたことはありますか。
沈痛なため息、切実な叫び、哀切な呟き。 わたしはこれまでに二度あります。
一度は、買ったばかりの車に人を乗せて、環状8号線の赤信号をぶっちぎったとき 。
ほんとに見えてなかったんですが、 隣りに座った(座らせられた)人は、
シートにからだを押しつけて「赤じゃ──っ!」と叫んでいました。 いや、びっくりしました。
何がびっくりしたって、生きのびたことじゃなくて、男の人がこういう身も世もない叫びをあげるってことに。
そして、もう一人わたしが声をあげさせたのは、河本さんでした。
話はちょいとズレますが、この間「アニメージュ」誌の編集さんと会って話をしたとき。
その人も男性だったのですが、あらかた話も終わったとき、その人はおもむろに身 を乗り出してきました。
そして、申し訳なさそうに声をひそめて「横手さんのシナリオって、トイレねた、多いですよね」と言うのです。
「なんでなんですか?」と。
トイレねた。 ああ。なんという魅惑の響き。心とろかし、胸を高鳴らせる、トイレ話。
いや、なんで、と訊かれても、本人にもわからないっす。とにかく、好きなだけです。
トイレねたも好きですが、ゲロねたも好きです。
いつも隙あらば、いれてやろうと思っています。ライフワークですね。
えっへん。
中島らものエッセイに「うんこ!」とくり返し叫ぶ3歳くらいの子供をもう少し大きいくらいの子供が取り囲んで、
「うんこ!」という言葉が発せられるたびにみんなで 笑い転げているところを見た。
これが笑いの原点なのだろう(大意)というものがありましたが、わたしはその3歳の子供なのでしょう。
五味太郎の絵本で「みんなうんち」という名作がありますが、これもわたしのバイブル です。
岩合光昭の「ネイチャーコールズ」もいい写真集ですよ。動物のうんこシーン満載 。
筒井康隆が自分のうんこをナイフとフォークでこまかくほぐしているうちに、親近感(?)がわいてきて
「いつか、そのうち、おれはこれを食ってしまうかもしれない 」と 思ったとエッセイに書いていました。
わたしはそこまで(ってどこまでや!)ではありませんが、トイレは「見てから流す」派です。
で、ずっとワケわからんまま、好きだったんですが、この間「そうだったのか!」と膝をうつ、幼児体験が発掘されたのです。
あんまりショーゲキ的だったので、わたしという人間を理解してもらうためにはぜひ、話さねばなるまい!と佐藤さんと河本さんの前で語りはじめました。
「それは、わたしが保育園の年少組に通うようになった頃のこと。わたしは突然 ──」
そこで、河本さんが叫んだのです。 「ああもう聞きたくないっ!」
やーもー河本さんが身震いするところを初めて見ましたよ。
椅子から10センチは飛び上がってましたね。
なんでー。 いい話なのにー。 結局、いやがる河本さんを羽交い締めにして聞かせてやりましたけどね。ほんとにイヤそうでした。
くそ。
わたしとしては、ここでお披露目したいところなんですが、ここを読んでいる不特定多数のみなさんは、それほどトイレねたが好きじゃないかもしれないし、食事中かもしれ
ないので、自粛しておきます。
いやでもいい話なんですよ、ほんとに。少なくともわたしにとっては。
そりゃそうと、「なんでトイレねた?」と訊かれたことはこれまでに3度あるのですが、
どなたも男性でした。
これも謎です。なんで?